5月27日(木)に、デジタルイラスト漫画制作ソフトのCLIP STUDIOVer.1.10.10アップデートが公開されました。
本記事では新たにアップデートで追加された機能から、特に注目のものを4つまとめました。
ブラシツールの新規追加やスマホでの動作のしやすさに関わる機能など、アップデート後にすぐに試せるものも多いですね。
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マンガ制作ソフトの最高峰【CLIP STUDIO PAINT EX】
目次
ブラシ系ツールのラインナップに新規で11種が追加
クリスタに新しく鉛筆、ウェット水彩、スプラッシュ水彩、厚塗り油彩、筆ペン、かすれ墨、濃淡、にじみ墨、淡い光、グリッター、ジッパーの合計11種類のブラシが追加されます。
■個人的に注目のブラシ6選
- 水彩系…ウェット水彩、スプラッシュ水彩
- 筆系…筆ペン、かすれ墨、濃淡、にじみ墨
アナログの質感がデジタルで出せるかって疑問ですよね?
アナログの雰囲気をデジタルでどう表現できるかは、紙、鉛筆などアナログで絵を描いてきた人や今デジタルイラスト制作ソフトを使う人にとって気になるかと思います。
【ウェット水彩】【スプラッシュ水彩】のこと2つのブラシの、水彩のにじみ具合や色の混ざり具合がどうなるか注目です!

つぎに、筆系のブラシの話です。
力強い筆のタッチができそうな【かすれ墨】ブラシや、水墨画っぽいタッチが再現できそうな【濃淡】【にじみ墨】が増えたのは嬉しいですね。

新規のブラシは、ソフトをすでにインストールしている人は、
新しい1.10.10にアップデートすればブラシが自動で追加されます。
■公式からCLIP STUDIO PAINT Ver.1.10.10の紹介動画
■以下、公式ページから引用
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ブラシ系ツールに[デュアルブラシ]の機能が追加され、2種類のストロークを組み合わせて描画できるようになります。
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初期サブツールのラインナップを大幅に刷新。さらに、新たな初期サブツールを11点追加。新規インストールではなく、Ver.1.10.10にアップデートをした場合、新規の初期サブツールのみ自動的に追加されます。サブツールの名前やパラメータが変更された初期サブツールはメニューから手動で追加できます。 ※[ツール]の初期化を行うと新しいサブツールのラインナップで構成されます。
指、マウスでの描画に入り抜き設定の追加
指やマウスでの描画時の線の入り抜き部分の筆圧を低くする、
ブラシが速度に応じて先端がとがる機能が追加されます。
■入り抜きとは…
「入り」というのはペンで描きはじめるとき。
「抜き」は力を抜き、徐々に細い線になるように線を引くこと。
学生の頃に、習字で習った「線の払い」をイメージしていただければと思います。
入りと抜きを意識した線を引くと、絵の見栄えがグンとよくなります!
スマホを使ってそんな指で入り抜きできるの?
上の紹介動画の20秒くらいのところで、指で線を引く様子が映っています。
しっかりと細かい描写を描くならペンタブレットがほしいところですが、
スマホを使い指やマウスで手軽に線が引きやすくなったのはうれしいですね。
スマホのモニターサイズも年々大きくなりました。
スマホ・iPad版に対応するイラスト制作アプリが増えてきました。
そういった背景もあり、スマホユーザーを意識した開発に時代の波を感じますね。
■以下、公式ページから引用
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[環境設定]ダイアログの[ツール]に[指やマウスで描画時、線の入り抜き部分の筆圧を低くする]の項目を追加。
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ブラシ系ツールを指やマウスで操作したとき、速度に応じて先端がとがるようになります。
オンラインで複数ページ作品を複数人で編集が可能に
チームでの作業におすすめな機能が、今回のアップデートで増えます。
オンラインで複数ページの作品を、チームで共有してページごとに分担作業ができるようになりました。
コロナ禍で直接会いながら作業がしにくい、場所が離れていても作業ができるようにしたいニーズに刺さる機能ですね。
「漫画で1~4ページはもう線画を完成させたから、ベタやトーンをよろしく」
と漫画家さんが依頼を気軽にしやすくなりそうです。
1つの作品を複数人で作業できるのは、Zoomで連携させて絵チャのようにコミュニケーションの場としても使いやすいですね。
くわしくは、機能が使えるようになってから具体的に解説をしていくと思います。
■以下、公式ページから引用
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オンラインで複数ページの作品をチームメンバーに共有して、ページごとに分担して作業できるチーム制作機能を追加。
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PCをはじめスマートフォンやタブレットからも、チームメンバーと作品制作が行えます。
製本3Dプレビューの表示機能を改善
製本3Dプレビュー機能というのがCLIP STUDIO PAINTにはあり、作った作品を3Dの本の形で読むことができます。
この製本3Dプレビュー機能が、アップデートでさらに進化しています!
主に仕事で漫画を描く人、同人誌を作っている人向けの機能追加です。
- 作品の表紙設定の有無やノンブルの開始番号に関わらず3Dプレビューが見れるように。
- 表紙(裏)と裏表紙(裏)が表示されるようになりました。
これは作業途中で気軽に3Dプレビューができるようになり、
表紙に見開きで描いたイラストも確認できるようになったと解釈できます。
「漫画の本文だけをTwitter用に4ページ描く」「表紙の裏にも絵を描きたい!」そんなときに便利ですね。
ココがポイント
■覚えておくとよいマメ知識
クリップスタジオペイントでは表紙、表紙(裏)、裏表紙(裏)、裏表紙という表記があります。これは印刷の世界では表紙を表1、表紙(裏)を表2、裏表紙(裏)を表3、裏表紙を表4と呼びます。
たとえば書籍のお仕事や同人誌の入稿をするときに関係がある話で、
表紙のことは表1と口頭で伝えられたり、印刷所のHPに表1と書いてある場合があると思います。
もしも印刷関係のやり取りの中で表1や表2と話が出たときは、クリスタでは表紙や表紙(裏)のことと覚えていきましょう。
印刷所の人も職業柄Photoshopのことは理解していても、クリップスタジオペイントの細かな機能のことまでは把握しきれていなかったりします。
■公式からCLIP STUDIO PAINT Ver.1.10.10の紹介動画
■以下、公式ページから引用
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作品の表紙設定の有無やノンブルの開始番号に関わらず、[ファイル]メニュー→[複数ページ書き出し]→[製本3Dプレビュー]を実行できるようになります。
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[ファイル]メニュー→[複数ページ書き出し]→[同人誌印刷用データ出力]に[表紙(裏)、裏表紙(裏)を出力]を追加。表紙(裏)、裏表紙(裏)をファイルに書き出せます。
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[ファイル]メニュー→[複数ページ書き出し]→[製本3Dプレビュー]で、表紙(裏)と裏表紙(裏)が表示されるようになります。
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[ファイル]メニュー→[複数ページ書き出し]→[製本3Dプレビュー]の実行時に、選択中のページが開いた状態で表示されるようになりました。
記事のまとめ
鉛筆や水彩、筆などの汎用性が高いブラシが、インストール(アップデート)したらすぐ使えるのは嬉しいですね。
自分が描きたい表現が、クリスタで今までよりもしやすくなったのではと思います。
オンラインの複数ページ作業可能は、チーム作業、アシスタントや
外部制作依頼などクリエイターの収益の今後のかたちに影響がありそうです!
クリスタ1.10.10のアップデートの追加機能をぜひ試してみましょう。
・リリースノート
chttps://www.clipstudio.net/ja/dl/release_note/
・公式からのお知らせツイート
https://twitter.com/clip_celsys/status/1395317196511870982
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